06292 行方不明だった青墨のインクボトルが見つかった
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もはやApple Pencil以外の筆記具を手で持って文字を書く機会がまったくない。
Macで入力していくと完全自動でかな漢字混じりの文章が記述されていくから、変換操作もしないし、候補から自分で選択したり確定する機会もない。しゃべるのと同じく、漢字を考える必要がな。漢字への意識がどんどん希薄化していく。
救いはApple PencilとiPad。
授業中、学生たちの発言をiPad板書に書き取るのは手書き。さながら、学生がshio.iconに漢字書き取りテストをしているかのよう。学生が発言した単語の漢字を思い出せないと、その場で学生に聞いて書く。100%デジタルで業務を遂行している今、iPadとApple Pencilがアナログ感覚を維持するためのキーデバイスになっている。
9月から成蹊大学の授業が対面に戻ったため、毎回の授業後に学生たちが提出するReaction Paperも、デジタルから手書きに戻した。以前はすべてにお返事を万年筆で書き、サインをしてから返却していたけれど、Scrapboxにタイピングでお返事を書く利便性が高いため、対面授業が再開された後も相変わらずタイピングで書いている。そこで、提出された Reaction Paper を次週に返却するにあたり、サインだけは手書きしたいな、と思った。 だが、研究室を探してみても、万年筆のインクボトルが見つからない。今使っていない種類やカラーのインクボトルはたくさんあるけど、近年使っている青墨のボトルがどこにもない。仕方なく、青墨の古いボトルに少し残っていたインクを寄せ集めて、吸引して書いていた。 昨日、自宅書斎のオンライン機材を撤去するために片付けていたら、ボトルが2本出てきた。自宅にあったのか。
思い返すと、ゼミ合宿。おそらく使うことはないだろうけど司法試験組は手書き起案をするので万年筆について話す機会があるかもしれないと思って念のため、研究室からゼミ合宿に持参する荷物の中にボトルを入れたのだった。合宿から帰宅して荷物を下ろしたとき、研究室に持ち戻らず、自宅に残したのだろう。
PILOT カスタム823(フォルカン)はタンクが大きい。1.5cc程度。一般的なコンバーターの2倍くらい吸入できる。プランジャー式で、吸引力が強いので、すべてを使い切ることなくインクを吸引すれば、インクの経路を洗浄することにもなる。実際、2016年12月に購入した当初から、Sailorの顔料インク「青墨」のみを使っているけれど、インク詰まりが生じた経験はない。 ようやく、万年筆をインクで満たすことができた。
ニブがしなるフォルカンの書き心地、気持ちいい。
毎週、民法と知的財産法の授業後に、このしなやかな感触を味わえる。
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